青戸杏樹
あおとあんじゅ
クラリネット・バスクラリネット奏者。2023年シルバースタイン・クラリネット・コンペティションにおいて、バスクラリネット奏者として唯一の受賞者となり、Honorable Mention(佳作)を受賞。以来、ニューヨークを拠点に、オーケストラ、室内楽、現代音楽の分野で幅広く活動している。
バスクラリネットにおける独自の音楽性と技術を生かし、指揮者、作曲家、演奏家から様々なプロジェクトに招聘されている。これまでにジュリアード音楽院管弦楽団、ジュリアード・オペラ、同音楽院の現代音楽アンサンブルAXIOM、Brooklyn Chamber Symphonyなどに出演し、David Robertson、Jörg Widmann、Jeffrey Milarsky、Barbara Hannigan、Andrés Orozco-Estrada、John Adamsらの指揮者と共演。2024年には、ジュリアード音楽院のNEW SERIESに出演し、チェルシー・ファクトリー(ニューヨーク)にて、ダンサーとの共演によるAlvin Singleton作曲《Argoru Va》バスクラリネット独奏を演奏した。また、同シリーズのサイド・バイ・サイド・プロジェクトでは、ニューヨーク・フィルハーモニックのメンバーと共演し、David Robertson指揮によるSchoenberg《組曲 作品29》を演奏した。
現代音楽にも積極的に取り組み、BeComEnsemble、Away From Keyboard、Ensemble Fantasqueなどのアンサンブルに出演。クラリネット、バスクラリネット、コントラバスクラリネットを含む幅広い楽器を担当している。これまでに、Emre Sener《Traummaler》(2025年、Radio Franceにて紹介)、Ben Rieke《Anodyne》(2023年)、Joy Redmond《Conflux》(2023年)、Jonah Cohen《Fantasia on “Avinu Malkeinu”》(2023年)など、多数の新作を初演。また、Yuri Umemotoの《Ghosts》《Filter》《Psychedelic Candy》などの作品を初演し、これらは同氏のアルバム《Dream Sandwich》(2020年)にも収録されている。
日本ではNONAKAクラリネットアカデミー(2018年)、北軽井沢ミュージックフェスティバル(2019、2021、2022年)に参加し、クラリネットのソロ演奏を学ぶ。その後、オーケストラにおけるバスクラリネットの魅力に惹かれ、2025年にはTanglewood Music Centerにバスクラリネット・フェローとして参加。2026年にはゲストアーティストとして再び同音楽祭に出演した。また2026年、ジュリアード音楽院と英国王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music)の合同オーケストラの一員として、Esa-Pekka Salonenの指揮によるBBC Promsに出演。さらにAtlantic Septetの英国ツアーに参加し、オックスフォードおよびロンドンで室内楽公演を行った。
演奏活動に加え、教育活動にも力を入れており、2024年にはUsdan Summer Camp for the Artsにてクラリネット部門のLead Facultyを務め、若い音楽家の指導にあたった。
東京都生まれ。アメリカ・ミズーリ州カンザスシティを中心に幼少期を過ごす。5歳よりUniversity of Missouri–Kansas City Conservatory Academyにてヴァイオリンを始め、若手音楽家を対象としたDorothy Zimmer Scholarshipを受賞。その後、日本では世田谷ジュニアオーケストラにてヴィオラを学び、クラリネットおよびバスクラリネットに転向。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を卒業後、東京藝術大学音楽学部大学別科課程に進み、三界秀実、サトーミチヨの各氏に師事。同プログラムでは史上最年少で在籍した。ジュリアード音楽院にてCharles Neidichに師事し、学士課程(Bachelor of Music)を修了。現在はEastman School of Music(イーストマン音楽院)にて修士課程(Master of Music)に在籍し、Michael Wayneに師事している。